「喜如嘉の芭蕉布」煮綛茜(にーがしー)染・名古屋帯
(重要無形文化財・経済産業大臣指定・伝統的工芸品)
●涼やかで野趣があり人気だけれども希少な重要無形文化財「喜如嘉の芭蕉布」
こちらの作品は、沖縄県本島北部の大宜見(おおぎみ)村の喜如嘉 (きじょか) を中心に、実芭蕉(バナナ)の仲間である糸芭蕉の繊維を糸にして作る芭蕉布と呼ばれる織物です。実際、お手にとって頂くとわかるかと思いますが、まるで「とんぼの羽」のよう。薄くハリがあり、涼やかな地風が特徴的です。喜如嘉の芭蕉布は、かつて王族も着用していたこともあり、高品質で芸術性も高いことから、高価ながらも人気があります。
人気の一方で、大変希少な織物でもあります。芭蕉布は糸芭蕉の繊維100%で作りますので、芭蕉布づくりは、糸芭蕉を育てる畑仕事から始まります。しかし、近年では糸芭蕉自体の生産量がだいぶ減ってしまいました。また、糸芭蕉の太くて固い繊維をはいで、糸をつくって染め、織り上げるまでに20以上の工程があります。これら全てが手作業となります。結果、糸芭蕉の収穫から織り上がりまでに数年の年月がかかりますし、職人の高い技術力も必要です。そのため、大量生産などはとても難しく、どうしても生産数に限りが出てきてしまうのです。
●幻となる「煮綛茜染・喜如嘉の芭蕉布」
そんな芭蕉布の中でもこちらの作品は、茜色に染まった「煮綛(にーがしー)芭蕉布」と呼ばれます。芭蕉布は、一般的に自然のままの植物の色、濃いベージュの色をイメージされる方が多いかと思いますが、こちらは茜色。植物由来の染料で染め上げられたこちらの帯は、自然からそのままいただいたような表情豊かで、優しく穏やかな赤色が大変美しい帯です。あまのや七代目も、この帯のそんな美しさに魅了され、仕入れてまいりました。
芭蕉糸への染色は、糸を一定の長さで束ね、そのまま煮込んでいきます。染色をすることで糸が刺激されるため、染色を行うための糸はキヤギと呼ばれる芯に一番近く丈夫な素材に限られてしまうのです。そのため、現在の生産状況などを考えると、大変貴重なものとなっており、「幻の布」と呼ばれることもご理解いただけるかと思います。
この機会にどうぞ沖縄の自然が生んだ織物の味わいをご堪能ください。
商品概要
【素材】たて糸:手績み芭蕉糸100%、よこ糸:手績み芭蕉糸100% 織技】手織・手結い 【色柄】茜色 【価格】<ご興味をお持ちの方は個別にお問い合わせください。> ※こちらの商品につきましては諸事情によりECサイト上への価格の掲載を控えております。販売価格につきましては個別にお答えしておりますので、ご興味をお持ちの方はお問合せ下さい。 【証紙】 沖縄県指定伝統工芸品之証 喜如嘉芭蕉布事業協同組合・芭蕉布保存会、発行「喜如嘉の芭蕉布」 沖縄県伝統工芸品製品検査所発行・沖縄県織物検査済之証 【伝統的工芸品指定要件】 〇技術技法 ・次の技術または技法により製織されたかすり織物とすること -たて糸およびよこ糸に使用する糸は、糸芭蕉より「芋引き」し、「手績み」した芭蕉糸とすること -織り組織は、平織りまたは紋織りとすること -染色をする場合には、先染めにすること ・かすり糸を使用する場合には、かすり糸の染色法は「手くくり」にすること 〇原材料 ・使用する糸は芭蕉糸とすること 【在庫】1点のみ 【状態】新品・着尺(反物) 【その他】 ※お仕立ても承っております。お仕立てをご希望の場合には、ご注文時にその旨お伝えください。ご不明な点がございましたら、お気軽にお問合せ下さい。 ※PC環境や光の反射により商品と若干色が異なる場合がございます。あらかじめご了承ください。 <オススメ着用シーン> 夏、単衣 同窓会、ホテルなどでの会食、気軽なパーティー、観劇、音楽会、お食事会、お出かけなど
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